《中日比较文学研究》系日本学研究丛书之一,本书以研究生教学及本科生论文写作为目的,从研究课题和研究方法入手,以文学史的时代顺序及代表作品为纵线,把中日比较文学研究界的研究成果介绍给读者,以加深这一领域的教学和研究。
《中日比较文学研究》集合中日两国在跨文化研究领域中从事文学研究的具有权威意义的学者,以多元文化的“复眼”大视野观察日本文学,立足于原典文本解析和基础理论的演绎,在一个相当的层面上为把握和理解中日两国文化的内在构建提供了极有价值的思考和积极的指引。
はしがき
前世紀70年代以降、海外の日本語教育は想像を絶するようなテンポで発展し、現在空前の盛況を呈している。2013年7月8日に発表された国際交流基金の調査によれば、2012 はしがき
前世紀70年代以降、海外の日本語教育は想像を絶するようなテンポで発展し、現在空前の盛況を呈している。2013年7月8日に発表された国際交流基金の調査によれば、2012年現在、日本語学習者は海外の136カ国地域で3,984,538人に達し、1979年(127,367人)の約30倍に増加している。日本語教育機関の数は1,145個所から16,045個所に(約14倍)、日本語教師の数は4,097人から63,771人に(約16倍)増加している。そして、学習者数上位3位の国は、1位が中国(1,046,490人)、2位がインドネシア(872,406人)と3位が韓国(840,187人)である。現在、海外の日本語教育は、規模が拡大するとともに、教育環境教師の資質教材開発教授法の更新ならびに教育の質と水準などにおいても向上している。このような背景の中で、注目に値するのは、21世紀以来、海外では言語学文学社会文化等を含む日本学を専攻する大学院での人材養成が相次いでスタートし、増加の一途を辿っているという点である。この現象は、海外での日本語教育はこれまでの語学教育の段階から、日本学に関する修士博士の学位を授与する専門的な大学院教育を行う段階に発展してきたことを意味している。それに伴い、海外の日本学研究は益々盛んになり、各国の研究者ならびに著書論文等の研究成果が著しく増加し、研究水準も次第に向上しつつある。また、2009年(シドニー大会)、2010年(台北大会)、2011年(天津大会)と三年連続で開催された世界日本語教育大会では、いずれも「日本研究と日本語教育の連携」や「日本研究と日本語教育のクロスロード」などの課題をめぐって、特
設のパネルディスカションが行われ、教育と研究のインタラクションについて盛んに討議されてきた。このように、日本語教育と日本研究の平行性を求めることは、今日海外の日本語教育において現実的なニーズとなっている。海外の日本語教育は今まさに重要な転換期を迎えようとしているのである。さて、中国国内の近況を見れば、2012年現在、日本語教育機関数は1,800箇所、日本語教師数は16,752人、日本語学習者数は1,046,490人で、世界第一位である。そして、日本語人材養成の多様化に伴い、教育のレベルと質は年々向上している。中国教育部の2013年9月現在の統計によれば、全国で日本語専攻を設置している大学は延
べ506校、2011年の466校に比べて約10%上回っている。日本語学科は全国の諸学科設置ランキングでは第11位に上昇し、外国語学科では英語に次いで第2位にランクし、第3位のロシア語(138大学)の3.7倍あり、大学での日本語学習者はすでに679,336人に達している、と報告されている。また、大学院レベルの人材養成も急速に増加し、2013年10月現在では全国で日本言語文学専攻の修士課程は83大学に増加し、10大学では日本語の翻訳専攻(MTI)の修士課程が設立されている。さらに日本言語文学専攻の博士課程も増加して、2013年11月現在、博士号を授与する大学は20校ほどになった。
このように、海外での日本語教育の水準が高まり、日本研究の新たな潮流が見られるようになった中で、深刻な問題も浮上してきている。すなわち、大学院教育を行う教育機関が増加する一方で、これらの機関で学ぶ大学院生の需要に見合った専門の教材や参考書が不足しているという事実である。
このような背景の下、われわれは中国で『日本学研究叢書』(16巻)を出版することを企画した。言語文学文化を中心とする日本学に関する標準的かつ最新の学問的知識を、中国もしくは海外その他の国々の大学院生や研究者に伝えるとともに、より深い理解とその共有を図ることはこの出版企画の目的である。日本国内と海外の一流研究者の共同提携により、従来の日本学に新たな視点と新鮮な血液を注入し、最新の理念に基づく学術書を海外で出版することを通して日本学の国際化を促進すると同時に、低コストと低価格を海外で実現することによって、これまでの学術指導書不足の問題を解決し、海外における日本学の普及と発展に寄与することもできる。特に現状では、地域や個人による知識と理解の格差が大きく、海外の日本学研究を改善するために、この叢書の刊行は急務であると思われる。
この叢書は16巻編成になっており、各巻の書名を次に示しておく。
日语语法研究(上)(日本語文法論Ⅰ)
日语语法研究(下)(日本語文法論Ⅱ)
日语词汇研究(日本語語彙論)
日语语义研究(日本語意味論)
日语认知研究(日本語認知言語学)
日语语用研究(日本語語用論)
汉日语言对比研究(中日対照言語学)
汉日翻译研究(中日翻訳の研究)
日语教学研究(日本語教育の研究)
日本近现代文学研究(日本近現代文学)
日本古代文学研究(日本古代文学)
中日比较文学研究(中日比較文学)
日本历史研究(日本の歴史)
日本社会研究(日本の社会)
日本思想研究(日本の思想)
中日文化交流研究(中日の文化交流)
また、この叢書を編集するに当たり、次のような特色を持つように努めた。
1)「百家争鳴」の理念に基づき、平等公正客観的統括的に日本学研究における主要な学説と研究成果を
紹介する。
2)日本学研究に必要な学術情報を効率的に検索できるように、各巻の巻末に該当分野の主要な参考文献を提示
する。
3)中日両国に加え、韓国と欧米などの研究者も参加する史上最大規模(執筆者は360名以上)の国際提携出版事
業であり、日本人研究者の代表的な研究成果のほか、海外諸国の最先端の研究者の最新論考も取り上げている。
4)この叢書は読者層の幅を広く設定してあり、日本語専攻の大学生、日本言語文学専攻の大学院生(修士博
士)、大学院受験生、日本語教育または日本学研究に従事する教員や研究者はもちろんのこと、日本学の勉学と
研究に関心を示す一般の人にとっても興味深く読めるように執筆されている。
この叢書を企画して以来、早くも数年経った。その道のりは決して順風満帆ではなかった。この期間に遭遇した困難と乗り越えてきた壁は並大抵のものではなかった。それにもかかわらず、われわれは如何に困難な状況に直面しても、常に国際提携と社会貢献の自覚をもつ国内外の有志の研究者から多大な協力と暖かい支援を賜り、挫折することなく、強い信念と堅い決心を持ちながら弛まず努力し続けて、ついに困難を打破して窮境を抜け出した。幸い、この日本学研究叢書のうち《日本近现代文学研究》(『日本近現代文学』)と《中日比较文学研究》(『中日比較文学』)の2巻が無事刊行される運びとなった。この後、その他の巻も相次ぎ世に送られることになる。
この叢書の刊行に際して、私は『日本学研究叢書』編集委員会を代表して、本叢書の出版に貢献した多くの方々に衷心より感謝の意を表したい。まず、多大な協力を頂いた各巻の編者と執筆者に対して、心より厚く御礼申し上げます。この叢書の理念、趣旨、目標に理解と賛同を示し、有志として誠心誠意を尽くす皆様の暖かい支援がなければ、この叢書を世に送ることはできなかったであろう。とりわけ海外の現実的な問題の解決のために協力の手を差し伸べてくださった日本人研究者は270人近くにのぼった。それは、日本学の国際化に対する深い認識と海外への学術支援と社会貢献に対する高い関心による賜物であろう。これだけ多数の日本国内の最先端の研究者がわれわれ海外の研究者と手を携え、共通の目標を目指して、これほどスケールの大きい日本学研究叢書を作成し出版することは、嘗て見られなかったことである。このことは日本学の国際化を促進し、海外での日本学研究の発展に学術支援を提供する
上で、きわめて重要な歴史的意義があり、特筆すべき輝かしい一頁を残すことができると思われる。次に、この叢書の出版を引き受けてくれた外語教学与研究出版社にお礼を申し上げたい。収益を重視する経済社
会の観念と法則が一般常識になっている現在では、ベストセラーとは程遠い言語文学文化の3系列にわたるこの16巻編成の巨大叢書を出版したいという無理なお願いに対して深い理解を示し、様々な困難を克服した上で最終的にこの条件の出版を引き受けてくれることを決定した。それは学術を重視し、国際支援と社会貢献に対する当社の格別な認識がなければ、到底考えられないことであろう。そして、外語教学与研究出版社の多言語出版部の薜豹主任は全力を挙げてこの出版企画を支持してくれ、途中で挫折することなく、終始編集委員会と力を合わせて本叢書の刊行をサポートしてくれた。また、この叢書の出版助成を求めたり、東京で中日編者会議を準備して開催する際には、事務局長の李大清氏から多大な協力と支援を頂いた。ここで深くお礼申し上げます。そして、本書の刊行のために多くの時間と労力をつぎ込んでくださった外研社多言語出版部の劉宜欣女史にも合わせて謝意を捧げたい。
今後、この叢書の各巻は逐次刊行されることとなる。もし、グローバリゼーションの時代を反映する本叢書の出版によって、中国ならびに海外各国の日本学研究の普及と発展が促進され、海外で直面している日本学の学術指導書の不足の改善に少しでも寄与することができれば、編者と執筆者全員にとってこれに過ぎたる喜びはない。
2014年7月
編者代表
張 威
李均洋,爱知学院大学文学博士,首都师范大学外国语学院教授,博士生导师,外交学院兼职教授,广岛大学特聘教授,全国翻译资格(水平)考试日语专家委员会副主任。著作有:日文专著《雷神龙神思想和信仰—中日语言文化比较研究》等。
佐藤利行,日本广岛大学副校长,文学博士,广岛大学教授。出版有《西晋文学研究》、《王羲之名迹解义》、《王羲之全书翰》、《淳化阁帖译注》、《陆云研究》等汉学著作。在日本和中国汉学界有着良好的影响。
序章 中日 日中比較文学研究概説
――研究課題と方法論をめぐって――
李均洋 佐藤利行
本居宣長の「国粋論」への挑戦
出典論
変異論
引喩法
歴史学と民族学との結合研究方法
『源氏物語』における中国史書や中国志怪小説唐代伝奇的な叙述方法の影響という比較研究課題
江戸文学と中国文学との比較研究課題
日本漢詩比較研究課題5I
影響研究文献学研究方法
中国題材の日本文学史研究課題と方法論
「日本式東方主義」研究課題
第一章 漢籍の日本東伝に関する軌跡と形式 厳紹璗 序章 中日 日中比較文学研究概説
――研究課題と方法論をめぐって――
李均洋 佐藤利行
本居宣長の「国粋論」への挑戦
出典論
変異論
引喩法
歴史学と民族学との結合研究方法
『源氏物語』における中国史書や中国志怪小説唐代伝奇的な叙述方法の影響という比較研究課題
江戸文学と中国文学との比較研究課題
日本漢詩比較研究課題5I
影響研究文献学研究方法
中国題材の日本文学史研究課題と方法論
「日本式東方主義」研究課題
第一章 漢籍の日本東伝に関する軌跡と形式 厳紹璗
一、 伝説時代から八世紀まで
(一)漢籍が日本に伝わった最も早期の伝説について
(二)伝説における天皇の物語――漢籍の模倣について
(三)推古朝『十七条憲法』と漢籍の東伝について
(四)『万葉集』における中国文献典籍について
(五)上古時代の中国人の移民と漢籍の東伝
(六)日本で最も早い漢籍抄録事業について
二、九世紀から十二世紀まで
(一)平安時代の「中国ブーム」と『秘府略』の編纂について
(二)この時代の漢籍東伝における日本の学問僧の作用について
(三)平安時代の貴族知識人の文化理念について
(四)『源氏物語』に引用された漢籍について
(五)藤原佐世と『本朝見在書目録』 について
(六)宋刊本東伝の開始について
(七)平安時代に日本に伝わり現存する唐人善本について
三、 十三世紀から十九世紀まで
(一)禅宗の東伝と禅宗僧侶の「儒佛互補」の観念について
(二)禅僧の漢籍東伝における貢献について
(三)日本中世時代の僧侶が中国で集めた漢籍の行方について
第二章 「首震尾坤」――出雲大社の哲学思想について
李均洋
一、大穴牟遅神大己貴神大穴持命——論題の提起
二、出雲大社の和邇巳(蛇)信仰
—— 大穴牟遅神大己貴神大穴持命神話の原点に迫る
三、「所造天下大神之社」の方位に象徴される出雲神話哲学
第三章 『万葉集』研究と敦煌文献 王暁平
一、 『万葉集』所収漢詩文の考釈における敦煌俗字通例研究の活
用
(一)『万葉集』にある俗字 俗語
(二)『万葉集』の俗字 誤字の特徴
(三)敦煌俗字通例を通じての『万葉集』難解字句の解読
二、『万葉集』と敦煌文学
(一)『千字文李暹注』
(二)願文
(三)書儀
(四)『孔子項托問答書』
三、『万葉集』と敦煌の歌辞
(一)恋の歌から『遊仙窟』まで
(二)恋の歌から説法型の歌まで
(三)『仏説無常経』から無常の歌まで
(四)敦煌の歌辞と『万葉集』
第四章 六朝唐詩と王朝和歌 森野繁夫
一、六朝詩の特徴
(一)新奇な着眼点と繊細な表現
(二)対象とする事物の一部分、あるいは全体を覆いかくす手法
(三)立体的表現
(四)間接的表現
二、唐詩における六朝詩の受容
(一)新奇な着眼と繊細な表現
(二)対象とする事物の一部分または全体を覆いかくす手法
(三)立体的表現
(四)間接的表現
三、和歌と六朝 唐詩
(一)新奇な着眼点と繊細な表現
(二)対象とする事物の一部分、または全体を覆いかくす手法
(三)立体的な表現
(四)間接的表現
四、结语
第五章 日本における漢学——王羲之研究の場合——
佐藤利行
一、王羲之書翰中の語彙
二、 王羲之と五石散
(一)
(二)
(三)
(四)210(五)
(六)
第六章 漢詩文の日中比較文学研究
——方法上の注意と研究上の示唆——
古田島洋介
はじめに
一、訓読という方法
二、比較文学研究の一般的問題
三、日中比較文学研究としての特殊問題
四、日中比較文学研究の基礎
五、日中比較文学研究の題目
おわりに
第七章 源氏物語における〈愛〉と白氏文集 藤原克己
一、『源氏物語』と白氏諷諭詩
二、 雨夜の品定めの意味
三、源氏物語が白居易の文学から得たものは何か
四、反復される「長恨歌」引用
第八章 《太平記》における漢籍の受容
——主に《三国演義》と《史記》を例に——
邱嶺
一、《太平記》にしか受容されなかった
三国故事について
(一)
(二)
(三)
(四)
(五)
(六)
二、《太平記》における理想人物の造型問題
(一)
(二)
(三)
(四)
(五)
(六)
(七)
第九章 啄木と漢詩 石川忠久
一、啄木と白居易
二、啄木と杜甫
三、啄木と王維及び『唐詩選』
第十章 辻聴花の中国劇 周閲
一、辻聴花について
二、辻聴花の中国劇研究の優れた点
第十一章 家をテーマとする中日近現代小説の比較
于栄勝
一、中国の「五四新文化運動」と日本の
「文明開化」における啓蒙
二、「家」をテーマとする中日近現代小説の特徴
三、名作としての巴金と島崎藤村の同名小説『家』
四、同名小説「家」の共通点の裏に潜む相違点
五、両国の小説家の文学観念の相違
第十二章 ジャポニスム再考——回顧と展望——
川本皓嗣
一、ジャポニスムとは
二、ジャポニスムの研究
〔附録〕推薦書目と参考文献
一、推薦書目
(一)辞典 事典
(二)入門書 概説書
(三)参考書
二、参考文献
(一)訓読について
(二)日中比較文学
(三)大学以外の留学先について
索引
後書き
執筆者